こんにちは、「借金解決ガイド」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
「離婚の慰謝料を支払っているのに、カードローンの返済まで重なって生活できない……」
「不倫慰謝料として数百万円を請求されたけれど、すでに多額の借金がある……」
このように、慰謝料と借金の両方を抱えてしまい、返済が難しくなっている方もいるでしょう。
借金を返済できなくなった場合の解決方法のひとつが「自己破産」です。
自己破産で免責が認められれば、カードローンや消費者金融、クレジットカードなどの借金について、原則として支払い義務が免除されます。
では、離婚や不倫、DVなどによって発生した「慰謝料」についても、自己破産すれば支払わなくてよくなるのでしょうか?結論からいうと、慰謝料も原則として自己破産による免責の対象になります。
ただし、慰謝料が発生した原因によっては「非免責債権」となり、自己破産しても支払い義務が残るケースがあります。
この記事では、慰謝料と借金の両方を抱えて返済できなくなった場合、自己破産でどこまで解決できるのかを司法書士の久我山左近がわかりやすく解説します。
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自己破産でどこまで解決できるのか解説します。


慰謝料を支払っている人でも、自己破産を申し立てることは可能です。
「慰謝料があると自己破産できない」というルールはありません。
たとえば、
- 消費者金融から200万円
- カードローン100万円
- クレジットカード100万円
- 離婚慰謝料200万円
といった債務を抱えており、収入や財産から考えて返済を継続できないのであれば、自己破産を検討することができます。
重要なのは、自己破産できるかどうかと、慰謝料が免責されるかどうかは別の問題だということです。
慰謝料が非免責債権に該当する場合でも、それ以外の借金について自己破産による免責を受けることは可能です。
慰謝料も原則として自己破産の免責対象になる
自己破産について、「税金や養育費と同じように、慰謝料もすべて免責されない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、慰謝料だからという理由だけで非免責債権になるわけではありません。
自己破産で免責許可決定が確定すると、破産者は原則として破産債権について支払い責任を免れます。
そのため、一般的な慰謝料についても免責の対象となる可能性があります。
ただし、破産法では一定の損害賠償請求権について、免責されない「非免責債権」としています。
ここでポイントになるのが、慰謝料が発生した原因です。
自己破産しても免責されない慰謝料とは?
破産法253条1項では、一定の不法行為による損害賠償請求権を非免責債権としています。
代表的なのが、次の2つです。
①破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
②破産者が故意または重大な過失によって人の生命・身体を害した不法行為に基づく損害賠償請求権
つまり、慰謝料という名前だけで判断するのではなく、「なぜ慰謝料を支払うことになったのか」を確認する必要が
あります。
不倫・不貞行為の慰謝料はどうなる?
特に相談が多いのが、不倫・不貞行為による慰謝料です。
「不倫はわざとした行為だから、自己破産しても免責されないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、不貞行為による慰謝料が当然に非免責債権になるわけではありません。
破産法253条1項2号にいう「悪意」は、単に不法行為を故意に行ったというだけではなく、一般的に相手を積極的に
害する意思、いわゆる「害意」が問題になります。
そのため、通常の不貞行為による慰謝料については、具体的な事情によるものの、自己破産によって免責される可能性があります。
ただし、相手に対する強い害意が認められるような特殊な事情がある場合などには、非免責債権となる可能性があります。
「不倫慰謝料だから必ず免責される」「不倫慰謝料だから絶対に免責されない」と一律に判断できない点には注意しましょう。
DVや暴行による慰謝料は免責されない可能性が高い
不倫慰謝料と比較して注意が必要なのが、DVや暴行などによる慰謝料です。
破産法では、故意または重大な過失によって人の生命または身体を害した不法行為に基づく損害賠償請求権を非免責債権としています。
たとえば、配偶者に暴行を加えてケガを負わせ、その結果として慰謝料や治療費などの損害賠償義務を負ったケースです。このような債権については、自己破産して免責許可決定を受けても支払い義務が残る可能性が高くなります。
同じ「離婚に関係する慰謝料」であっても、不貞行為による慰謝料と、身体的なDVによる慰謝料では扱いが異なる可能性があるということを覚えておきましょう。
離婚慰謝料と養育費は扱いが違う
離婚した人が自己破産する場合、もうひとつ注意したいのが養育費です。慰謝料と養育費は法律上、別のものです。
養育費など、子の監護に関する義務に基づく請求権は非免責債権とされています。したがって、自己破産しても養育費の支払い義務は原則としてなくなりません。
たとえば、「消費者金融300万円+離婚慰謝料200万円+養育費」という状態で自己破産した場合、それぞれ同じ扱いになるとは限りません。消費者金融の借金は原則として免責対象となり、慰謝料については発生原因などによって判断され、養育費については原則として免責されません。
自己破産したからといって、すべての支払い義務がゼロになるわけではないのです。
示談書や公正証書を作っていても自己破産できる?
「すでに慰謝料について示談書を作ってしまった」「公正証書で毎月5万円を支払う約束をしている」
このような場合でも、それだけを理由として自己破産できなくなるわけではありません。
また、慰謝料について裁判が行われ、判決で支払額が確定している場合でも、自己破産を申し立てること自体は可能です。ただし、示談書や公正証書、判決があるからといって、慰謝料が必ず免責される、あるいは必ず非免責になるわけではありません。
慰謝料がどのような原因によって発生した債権なのかが重要になります。
そのため、自己破産を相談するときは、慰謝料に関する示談書、公正証書、判決書などがあれば専門家に見せるようにしましょう。
慰謝料を債権者一覧表から外すのはNG
「慰謝料の相手には自己破産を知られたくないから、消費者金融だけ破産に入れたい」このように考える方もいるかもしれません。しかし、自己破産では原則としてすべての債権者を申告する必要があります。
慰謝料の支払い義務があることを認識しているのであれば、基本的には債権者一覧表に記載する必要があります。
特定の債権者だけを意図的に外したり、自己破産の直前に特定の相手だけへ多額の返済をしたりすると、破産手続上の問題が生じる可能性があります。
「この慰謝料はどうせ免責されないだろうから記載しなくてもいい」と自分で判断するのは避けましょう。
慰謝料が免責されなくても自己破産するメリットはある
ここは非常に重要なポイントです。
仮に慰謝料が非免責債権に該当したとしても、自己破産する意味がなくなるわけではありません。
たとえば、
- 消費者金融……300万円
- カードローン……200万円
- クレジットカード……100万円
- 非免責となる慰謝料……200万円
合計800万円の債務を抱えているとします。
仮に慰謝料200万円が免責されなかったとしても、それ以外の600万円が免責されれば、返済負担は大幅に軽減されます。つまり、「慰謝料が残る可能性がある=自己破産しても意味がない」ではありません。
カードローンや消費者金融などの借金を整理することで、自己破産後に残った慰謝料を支払っていける状態を作れる可能性があります。
慰謝料と借金の両方を払えないなら早めに相談しよう
慰謝料に加えてカードローンや消費者金融などの返済まで抱えていると、毎月の支払いが収入を上回ってしまうことがあります。
そこで新たな借金をして返済を続けると、多重債務に陥る危険性があります。返済のために借金をする状態になっているのであれば、早めに債務整理を検討しましょう。
債務整理には、自己破産だけでなく任意整理や個人再生という方法もあります。
収入や借金額によっては、自己破産をしなくても解決できるケースがあります。
一方、借金総額が大きく、現在の収入では返済の見込みがないのであれば、自己破産が有力な選択肢になることもあります。
まとめ|慰謝料があっても自己破産で借金問題を解決できる可能性がある
慰謝料を抱えていても自己破産を申し立てることはできます。
そして、慰謝料も原則として免責の対象となりますが、その原因によっては自己破産しても支払い義務が残ることがあります。
特に、悪意による不法行為や、故意・重大な過失によって人の生命・身体を害した不法行為に基づく損害賠償請求権は、非免責債権となる可能性があります。
また、養育費についても自己破産によって原則として免責されません。
一方で、慰謝料の一部または全部が免責されないケースであっても、カードローンや消費者金融、クレジットカードなどの借金を自己破産で整理できれば、家計を立て直せる可能性があります。
「慰謝料があるから自己破産できない」と最初から諦める必要はありません。
慰謝料と借金の両方を抱え、毎月の返済が難しくなっているのであれば、慰謝料が免責対象になるかどうかも含めて、司法書士や弁護士などの専門家に相談して、自分に合った借金の解決方法を検討しましょう。
それでは、今回の記事の「慰謝料を抱えていて借金も返せない!自己破産で解決できる?免責されるケースを解説」というテーマについての解説は以上となります。
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それでは、久我山左近でした。












